親子間の売買による任意売却の成功事例

住宅ローンを滞納してしまい、今後の支払いの目途は立っていないが、「家にはどうしても住み続けたい」という場合、自宅を子供に売却するという方法があります。

いわゆる任意売却における「親子間売買」です。この記事では、親子間の売買による任意売却の成功事例についてご紹介致します。


両親から相続した自宅に居住

福岡県福岡市の52歳の男性・Tさん。

両親から相続した福岡市内にある自宅に妻と2人で暮らしていました。

子供は30歳になるサラリーマンの長男一人が、大阪で働いています。

長男が大学を卒業した頃から、将来に向けて起業を考えていたTさん。

Tさんは大手の建材会社で現役の優秀な営業マンとして活躍していましたが、会社の上司とそりが合わず、まだ40代のうちに独立をしたいと考えていました。

顧客はかなりいたので、独立しても見込み客には困らないと想定していたので、40代後半に差し掛かる頃に退職して、自らの建材会社を立ち上げました。

今から5年ほど前、勤務していた大手建材会社から独立・会社を設立しました。

起業した会社が倒産・住宅ローン返済難に

起業して間もない最初の頃は、かつての顧客が付き合い程度に取引をしてくれました。

しかし大きな仕事は受注が厳しく、新型コロナの感染拡大による建材の品薄化も影響して、経営状況は徐々に悪化。

起業して5年以上経ちましたが、残念ながら会社は不渡りを出して倒産してしまったのです。

事業資金の借り入れをする際に、自宅を抵当に入れていたTさん。

返済が滞り、住み慣れた自宅を出ていかなければならなくなりました。

自己破産も視野に入れていたので、賃貸物件すらも借りられるかどうか厳しい状況でした。

引き続き家に住む方法を模索

Tさんの妻は長年専業主婦をしていたので、今さら働くのも簡単ではありません。

引き続きどうにか、今の自宅に住み続ける方法が無いか調べていたある日の事でした。

そのような事情から任意売却の業者に相談をしてみたところ、「親子間売買」という任意売却の方法があることが分かりました。

Tさんの息子さんは独身で金銭的に余裕があったため、「実家は古くても駅から近い好立地にあるから」と、投資の一環として購入を決めました。

Tさんの息子さんは住宅ローンを利用して実家を購入し、家主として親から家賃を受け取ることになりました。

そしてTさんご夫妻は引き続き「賃借人」として、自宅に住み続けることが出来たのです。

親子で賃貸借契約を締結する「親子間売買」

Tさんが支払う家賃は、そのまま息子さんが組んだ住宅ローンの支払いに充てています。

そのため、息子さんは今のところ過剰なローン負担に悩まされることはないようです。

親子間ではありますが後々トラブルにならないために、売買・賃貸借契約は結んでいます。

このように、親子間でも一般の不動産売買と同じように取引をすることが可能です。

一般的な不動産売買に比べて、親子間の不動産売買は住宅ローンの審査が厳しくなるなど、難しい面もありますし、税法上の問題も絡んできます。

親子間で不動産売買をするときでも、不動産・任意売却・各法律などの専門家が揃った任意売却協会へのご相談を、おすすめします。