新型コロナでリストラに？任意売却で失敗しないために
住宅ローンの返済が困難になることは、決して珍しいことではありません。
せっかくの自宅を手放すのは辛いものですが、最悪の事態だけは避けるようにしたいものです。
住宅ローンの返済や競売回避に大変有効な任意売却も、相談が遅いと返済に対応出来ない場合が多いです。
この記事では、任意売却の相談が遅すぎたために、すべてを失ってしまった事例をご紹介します。
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失敗事例：川田さん（兵庫県尼崎市）のケース
【この事例のポイント】
・新型コロナによる不景気の波は日本中に押し寄せている
・家族がリストラされて住宅ローンの返済が滞ることも珍しくない
・相談が遅すぎると、債権が回収業者に譲渡されて対応が困難になる可能性あり
・住宅ローンの返済が滞る前に任意売却は相談するべき
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新型コロナ禍の不景気と夫のリストラ
兵庫県尼崎市にお住まいの川田さんは、夫が40歳になったのを機に市内のマンション一室を購入しました。
「3LDKで￥3,000万と少々高い買い物でしたが、当時は夫の会社も業績が良く、特に不安はありませんでした。」
しかし2020年、新型コロナによる業績の低迷により、川田さんの夫は大阪の勤務先からリストラを告げられます。
川田さんの夫はリストラにより会社を退職し、その影響は家計と住宅ローンの返済にも押し寄せました。
貯金と失業保険で住宅ローンの返済をやり過ごす
パートで働く川田さんの収入だけでは、特に住宅ローンの返済に関しては不安は拭えませんでした。
最悪の事態を想定し、事前に任意売却とその依頼先について調べ始めた川田さん。
しかし、なかなかこれといった業者が見つかりません。
「失業保険をもらいながら貯金を取り崩し、何とか住宅ローンの返済を維持するので精一杯でした。」
住宅ローンの返済を滞納するようになる
「複数の司法書士や弁護士、不動産会社などに手当たり次第に連絡しました。」
「しかし異なる回答に悩んでいるうちに、住宅ローンの返済が滞り始めました。」
一方の夫はようやく再就職先が決まりましたが、長時間労働で相談の時間すら取れず。
数か月後にネットで見つけた業者に任意売却を依頼した頃には、既に銀行は債権を譲渡していたのでした。
既に銀行は債権を譲渡
「ようやく見つけた任意売却業者に、銀行との話し合いの場を設けてもらおうとしていたのに…」
”任意売却は早めの相談が鉄則”ということを知らなかった川田さん。
譲渡先の債権回収会社（サービサー）は任意売却による分割払いを認めない方針でした。
残念ながら交渉は難航。結局、任意売却は不可能になってしまいました。
最終的に残された方法は「破産」
自宅マンションは競売にかけられ、手元にお金も大して残らないまま自宅を退去。
当然ながら夫婦関係も破綻して別居状態になってしまったのでした。
「最終的に残された方法は夫の破産だけでした。」
「夫は精神的な疲れもあり、体調も崩したと人づてに聞きました。」
まとめ：任意売却の相談は遅すぎると失敗する
任意売を相談する時期が遅すぎたために、任意売却に失敗した川田さんの事例でした。
任意売却は住宅ローンの返済が困難になることがわかった段階から、ご相談することをおすすめします。
なぜなら、時間的余裕があった方が条件の良い任意売却ができるからです。
相談が遅すぎたために、取り返しのつかないことになってしまう例は少なくありません。
依頼するまでの期間は明確に設けるようにしましょう。
自分で優良業者を見つけるのは難しい
一刻も早く任意売却の業者に相談することが重要です。
しかし実際に自分で優良業者を見つけるのは難しいもので、全ての任意売却業者が信頼出来るとは限りません。
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▼執筆者：矢口ミカ
プロフィール：ライター・宅地建物取引士。不動産・リフォーム・転職・整理収納関連の記事を複数のメディアで執筆中です。主人が経営している不動産会社で所有する投資用不動産の入居者管理もしています。住まいに関する資格である整理収納アドバイザー1級、福祉住環境コーディネーター2級も取得済みです。
※記事編集：一般社団法人 任意売却協会 担当者
▼情報提供者：川田様（仮名）