任意売却と自己破産(後編)

前回の記事では、自己破産後に債務が残る場合について解説しました。

今回はその続きです。自己破産をしてもすべての債権が解消されるとは限りません

最低5年間は金融機関からの借入は不可能なため、最終手段として自己破産をする場合はよく考えてから実行することが必要です。

残債がそれほど高額ではない場合には、任意売却で債務の大部分を清算し、残りを分割で少しずつ返済したほうが、マネープランを立てやすいケースもあります。

自己破産をした場合に起こりうるリスクや義務について解説をしていきましょう。

 


自己破産の申し立ては裁判所が可否判断を下す

 

自己破産の手続きをした後は、裁判所から免責の許可が下りた時点で借金がなくなります

不動産を所有している場合の自己破産手続きでは、破産管財人(管財人)が選任される管財事件が原則です。

申立人が支払不能の状態であるかなど裁判所が確認を行なってから、破産手続きの開始を決定します。

裁判所に納める予納金の額は、裁判所や債務額によって異なりますが、東京地裁の場合は最低額が20万円です。

マイホームを処分して、債権者に配当する手続きには時間がかかるため、最終的な免責を受けて債務整理が終わるまでは長期間が必要になります。

 

 

 

 

 

ギャンブルなどの場合は認められないことも

 

自己破産をする際に、「免責不許可事由」がある場合には、申し立てをしても認められない可能性があります。

免責不許可事由とは、借金の免責(返済義務を免れること)が認められない借金の原因や、不当な行為を指しています。

 

該当するケースは以下の通りです。

  1. 債務者の財産を不当に減少させる行為
  2. 不当な債務負担行為
  3. 浪費やギャンブルによる借金
  4. 詐術による信用取引
  5. 帳簿を隠すこと
  6. うその債権者名簿を提出する
  7. 裁判所への説明を拒絶したり、うその説明をしたりする行為
  8. 管財業務を妨害する行為
  9. 過去7年以内に免責を受けたことがある場合
  10. 破産法上の義務違反行為

したがって「浪費やギャンブルによる借金」、すなわちギャンブルやショッピングなどで多額の借金をした場合は、破産しようとしてもスムーズには認められません。なのでギャンブルや浪費病的と言えるほどひどいケースでは、自己破産が認められないこともあり得ます。

 

 

 

損害賠償金や税金などは支払い義務が残る

 

自己破産の手続きをして裁判所による免責が決定すれば、原則として全ての債務の支払い義務がなくなります。

ただし、税金などの公租公課や損害賠償金など、一部の債務については免責を得た後も支払うことが必要です。これらの免責されない債務は「非免責債権」といわれており、支払い義務が消滅することはありません。

 

非免責債権の一覧は以下の通りです。

  • 租税や罰金等の支払い義務
  • 損害賠償請求権
  • 夫婦間の生活費や養育費

 

したがって、離婚した場合の元配偶者への生活費や子供への養育費、不法行為に基づく被害者への損害賠償などは、自己破産をしても支払うことになります。

 

 

 

 

再び自己破産をするときは裁判所の審査が厳しくなる

 

自己破産を1度経験したにも関わらず、再び自己破産をする状況に陥ってしまう人も少なくありません。

法律上は自己破産に回数制限はありません。しかし7年以内に再び自己破産を申立てた場合には、原則免責は許可してもらえないとされています

もちろん、裁判所が免責を許可する可能性はあります。ですが、二度目の破産となるだけに審査は以前よりも厳しくなるのが実情です。

自己破産が二度目になると「管財事件」となる可能性が高くなるため、手続きが煩雑になり破産手続きが終了するまでの期間が長くなります。

 

 

 

自己破産後、最低5年間は金融機関から借入は不可能

 

自己破産をすると、約5~10年間は金融機関からの融資を受けることが難しくなります。

信用情報機関に事故情報が登録されている間は、いわゆる「ブラックリスト」に載っている状態のため、経済的な信用力がありません。したがって、一般的に金融機関の審査には通らないのです。(事故情報は一定期間が経過すると消去されるので、新たに融資を受けることが可能です。とはいえ、以前、自己破産をしたときに免責の対象となった会社は、半永久的に「ブラック」として取り扱いを受けます。)

 

そんな時に住宅ローンの返済で困る方には、任意売却がおすすめです。

お悩みの場合は、是非とも任意売却協会(または最寄りの任意売却業者など)へご相談下さい。

任意売却やリースバックから、各種法律専門家案件までを幅広く手掛けております。